11月の初め、ポーランドでは、日本の「お盆」にあたる季節です。
会社も学校も休みとなり、町の中心部は比較的静かになる。一方、墓地のある
郊外では、賑やかで、多くの家族がお墓参りをする。墓地の入口付近では、
色ガラスの容器に入った墓前灯や生花が、量の面でも種類の面でも、いつもよりも多く売られている。
ポーランドの「お盆休み」について厳密に言えば、11月1日は「諸聖人の日」で、
ローマ・カトリック教会の定めた祭日であり、すべての聖人および殉教者を
記念する日とされている。ポーランド共和国の法律でも、国家の「休日」として
制定されている。
一方、11 月 2 日は、カトリック教会では通常「死者の日」なので、「亡くなった全ての信者の記念日」です。11月1日が「祭日」であるのに対して、11月2日の「死者の日」は国家の「休日」になってない。
そこで大抵の場合、会社や学校が自主的に休業したり、各自が個人的に休暇を
取ったりして、週末と合わせて数日の「お盆休み」をもらい、墓参りのついでに
実家へ帰ってゆっくりする人が多い。
そのため、11月1日の「諸聖人の日」に、聖人や殉教者と関係なく、先祖や
身内の墓を訪れる家族も多い。墓参り来た家族は、墓石を洗ったり、周囲を
掃除したり、新しい花を飾ったりして、先祖や亡くなった身内と親しかった
知人の安らかな眠りを祈る。